2019年1月7日月曜日

睡眠を制すものは記憶を制す! vol.2


前回に引き続き、受験生目線での睡眠の大切さをまとめてみました。


③脳を休めるノンレム睡眠と体を休めるレム睡眠

 睡眠にはノンレム睡眠とレム睡眠の2種類があることをご存知の方もいらっしゃると思います。レムとは Rapid Eye Movement の頭文字を略したもので、レム睡眠は、眼球の素早い運動を伴う睡眠です。夢を見るのはこのときで、体の筋肉は動きません。一方、ノンレム睡眠は眼球運動のない睡眠です。つまり、ノンレム睡眠は脳を休ませる睡眠、レム睡眠は身体を休ませる睡眠ということができます。
 睡眠中は、ノンレム睡眠とレム睡眠のペア(睡眠サイクル)を繰り返しています。睡眠サイクルは基本的に90分から120分間で、個人差があります。睡眠は前半(最初の2サイクル)と後半(朝方の2サイクル)で異なる様態を示します。夜間の前半では睡眠サイクルは、ノンレム睡眠の時間が長く、レム睡眠は数十秒しか続きません。後半になるとレム睡眠は30分ほど続きます。このレム睡眠は、試験前に集中して勉強すると延長します。
 最初の深いノンレム睡眠には、新たな記憶を固定するための準備をする働きがあります。また、後半の浅いノンレム睡眠には、運動における体の使い方や問題を見て解法パターンをパッと思い出すといった「手続き記憶」と呼ばれる記憶の固定や、いろいろな記憶を相互に関連づけて統合する働きがあります。
 一方、レム睡眠には、いつ、どこで、何があったかといった「エピソード記憶」の固定や、次に記憶をスムーズに思い出せるように索引をつける働きがあります。つまり、先にも述べたとおり「勉強するとレム睡眠が延長する」のはたくさん勉強したことをしっかり固定するためなのです。睡眠中は、こうして脳と体が交互に休息しながら、記憶の整理を行っています。

④理想的な睡眠時間は6時間または7時間半

 以上のことから、記憶力を高めるには、レム睡眠に加え、深いノンレム睡眠から浅いノンレム睡眠までの、すべてのプロセスが必要なことがわかります。
 寝つきが悪くて深いノンレム睡眠が阻害されると、昼間のいやな感情を、次の日も引きずることになり、心が癒されません。また、3~4時間程度の睡眠時間では、後半の浅いノンレム睡眠やレム睡眠がなくなるため、勉強して覚えた内容が固定されず、また索引付けもされないため思い出すこともできず、勉強が無駄になります。
 理想的な睡眠は、睡眠サイクルを4回ないし5回繰り返す睡眠です。睡眠時間でいえば、個人差はあるにしろ、6時間または7時間半が最適だということになります。
 気をつけていただきたいのは、レム睡眠は決して覚醒(起きている状態)に近い睡眠ではないということです。「ノンレム睡眠が深い睡眠で、レム睡眠が浅い睡眠だから、レム睡眠のときに起きればいい」といった声を時折耳にしますが、これは間違いです。最後のレム睡眠のときに起きてしまうと、記憶が固定できないだけでなく、熟睡感がなく、疲労感を伴った最悪の目覚めになります。一番スッキリ起きられるのは、その次の浅いノンレム睡眠のときなのです。そこで、布団に入ってから眠りに就くまでの時間(睡眠潜時)と勉強したことによるレム睡眠の延長時間を考慮して、布団に入っている時間は6時間半または8時間をめざしたいところです。

次回につづく・・・

ガンバレ受験生!! BY JJ

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