2020年1月30日木曜日

センター試験概況

センター試験概況


前回に引き続きセンター試験関連の情報です。大学入試センターや文部科学省などから発表された情報を元にまとめてみました。参考にして下さい。


2020年度の大学入試センター試験(以下、センター試験)は、118日・19日の両日に、全国689の会場で実施されました。世界史Bの出題ミスなどがありましたが、全国的には天候による交通機関の乱れなどの大きなトラブルはありませんでした。

 

*センター試験志願者・受験者数は減少


2020年度センター試験の志願者数は557,699人(昨年576,830人:前年比96.7%)、本試験の外国語受験者数も519,303人(昨年538,603人:前年比96.4%)と、いずれも減少しました。
大学入試センターが発表した志願者数の現卒別の内訳を見ると、現役志願者数は昨年の464,950人から452,235人と12,715人減少(前年比97.3%)しました。現役志願者数の減少は18歳人口減の影響です。また、2021年から始まる「大学入学共通テスト(以下、共通テスト)」を前に、2019年度入試から安全志向がみられ、今年の既卒生は減少したものと推測されます。これを裏付けるようにセンター試験の既卒等志願者数も昨年の111,880人から105,464人と6,416人減少(前年比94.3%)しました。
共通テストを翌年に控え、出題傾向の変化も注目されました。全体的にはこれまでのセンター試験の傾向を踏襲した出題でしたが、「国語」の漢文では本文中で詠まれた状況に即したイラストを選択させるといった新しい形式の設問がみられました。また、対話形式や日常の事象からの出題、複数の文章や図表などから考察させる問題など、共通テストを意識した問題も各科目で出題されました。たとえば、「倫理, 政治・経済」では人工知能(AI)やノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイなど時事問題が散見されたほか、「物理」では教科書には載っていない形状のコンデンサーに関する問題が出題されました。

 

*英数国の主要3教科で平均点ダウン


今年のセンター試験の特徴は、英語、数学、国語の主要3教科で平均点がダウンした点です。とくに7.7点ダウンとなった「数学Ⅰ・数学A」は、複雑な設定で解答方針が立てにくい問題や参考書等であまりみかけない問題が出題され、苦戦した受験生が多かったと推察されます。
理科①では、「化学基礎」「地学基礎」で平均点がダウンしました。理科②では、「生物」「地学」でダウンした一方、「物理」でアップしました。「地歴・公民」では科目間に差はみられるものの、「世界史B」、「日本史B」、「地理B」、「倫理, 政治・経済」の4科目においては平均点が6568点と大きな差はなく、科目選択による不公平感はほとんど感じられません。

 
 
*文理ともに平均点下降、高得点層が減少

多くの国公立大で必要となる7科目の受験者平均点は、文系型で昨年から22.0点ダウンの559.1点(900点満点)、理系型で19.2点ダウンの564.4点(900点満点)と、どちらも大幅にダウンしました。
また、文系型、理系型とも、昨年と比べて高得点層が減少している模様です。前述のとおり、主要3教科で平均点が落ち込んだことが大きく影響しており、720点(得点率8割)以上の高得点層は文系型で前年比71%となりました。理系型も前年比77%となりましたが、「物理」や「化学」、「地理B」で平均点が上昇したことから文系型ほどダウンはしていません。また、得点率6~8割の得点層も文系型・理系型ともに減少しており、今年のセンター試験は、高得点が取りづらい状況だったといえるでしょう。
 
ガンバレ受験生!! BY JJ

 

 

 

2020年1月23日木曜日

センター試験総評

センター試験総評

最後のセンター試験が終わりました。来年度からは新たな制度に変わります。
今年のセンター試験は新制度を見据えてか、やや難化した感想を持ちました。
以下、数学・英語の総評をまとめてみました。



□数学ⅠA
「場合の数と確率」で異なる事象の確率を考える問題が出題されました。昨年より難化。

 大問数、配点は昨年と同様。問題量、計算量も昨年並ですが、目新しい問題が多く出題されました。「数と式」では1次関数のグラフの傾きや切片について考察する問題、「場合の数と確率」では4つの異なる事象の確率を考える問題、「整数の性質」では循環小数とn進法に関する融合問題がそれぞれ出題されました。難易は昨年より難化。第1問〔1〕〔2〕〔3〕、第2問〔2〕は数学Iと一部共通でした。


 □数学ⅡB
「指数・対数関数」と「図形と方程式」の融合問題が出題されました。昨年よりやや難化。
 


大問数、配点は昨年と同様。問題量、計算量も昨年並。「指数・対数関数」では「図形と方程式」との融合問題が出題され、数学IIの全分野から幅広く出題されました。また、「ベクトル」では四角形の形状を判断する問題が出題されました。難易は昨年よりやや難化。

 
□英語(筆記)
出題形式は変更なし。第4Aでは図をもとにした計算問題が出題。昨年よりやや難化。

例年通り、前半では発音・アクセントや語彙・文法の知識が問われ、後半では図表を含む説明文、物語や論説文など、多岐にわたる素材を読み解く力が求められました。文法・語法などの基本的な知識とともに、英文全体から素早く内容を把握する力が求められました。例年よりも取り組みづらい問題が増え、全体としてやや難化したと思われます。


 
□英語(リスニング)
日常の場面における実践的な英語力が問われた。昨年よりやや難化。
 
昨年に続き、音声情報と視覚情報を組み合わせて答える問題が出題されました。場面に応じた聞き取りが必要とされ、実践的な英語力が問われました。情報の類推や口語的な応答表現を問う問題を中心に取り組みづらい出題がみられ、第34問では解答時間が短くなった。
 


*これから私立大学の一般入試が本格化します。体調には十分留意して試験に頑張りましょう。

ガンバレ受験生!! BY JJ

2020年1月16日木曜日

面接の基礎知識


センター試験を今週末に控えピリピリしている受験生も多いと思います。
今、一番大切なのは体調管理。普段通りの生活をして、睡眠をしっかりとりましょう。センターが終われば、一般入試が本格的に始まります。面接を課す学部もありますので、今回は面接の心構えについてまとめてみました。
 
面接試験の基礎知識①

「面接試験ではどんなことを聞かれるの?」「面接試験はどういう流れで進むの?」
このような不安を感じている受験生は多いはず。ここでは、そんな受験生の不安を解消するため、面接試験の基本的な知識や対策の方法をまとめました。

秋に入るとAO入試が本格化します。また11月からは推薦入試の出願も始まります。推薦入試やAO入試で避けて通れないのが「面接試験」です。

ここでは「面接試験」についての基本的な知識、対策の方法をまとめました。

  面接を知ろう

面接の基礎知識

面接試験は、推薦入試やAO入試では必ずといっていいほど実施されます。また職業上、人物評価が欠かせない医学部では、一般入試でもほとんどの大学が面接試験を課しています。面接試験では、学力試験で測ることができない意欲や人間性が確認されます。また、限られた時間の中で自分を表現しなければなりません。

面接の種類

1.個人面接型

 受験者1人対面接者1人、または受験者1人対面接者複数人(2~3人)というベーシックな面接です。
 一つひとつの質問に対して、さらに掘り下げた質問をされることがあります。集団面接型や討論型の後で個人面接を課す大学もあります。

 

2.集団面接型

 受験者約2~6人対面接者1~4人という他の受験生の意見を聞くことも大切となる面接です。
 他の受験生と同じ質問をされることもあれば、他の質問をされることもあります。他の受験生と考えていた回答が同じであっても、焦らず自分の言葉で述べましょう。

 

 

3. 討論型

 受験生5~10名がグループとなり、あるテーマについて議論します。
 自分の意見ばかりを主張するのではなく、相手の意見を聞きいれながら、自分の意見を論理的に述べる力が求められます。  協調性が問われるもので、就職試験などでもよく用いられます。

 

4. 口頭試問型

 理・工学系学部や医・歯・薬・保健学系の学部で課されることがあります。理系教科の基本事項が問われたり、出題された問題を面接官の前で板書を使って解答・説明したりすることもあります。問題自体は簡単でも、説明をすることは容易ではありません。また、文系学部でも時事問題が出題されたり、英語でのやり取りが求められたりすることがあります。大学によって出題方法は様々なので、事前に志望大学の傾向を調べて対策を立てましょう。

 

面接試験の基礎知識②

 

面接の評価方法

1.点数を公表(50点など) 2.段階的に評価(A評価、B評価など) 3.点数非公表

評価方法は主に上記の3つに分けられます。点数非公表の大学の中でも、面接を重要視する大学と参考程度とする大学があり、面接の扱い方は大学によって様々です。
 各大学の募集要項で事前に調べておきましょう。

面接官チェックポイント

学習意欲

 大学側は、数ある大学の中から自分たちの大学を志望する理由を知りたいと思っています。
 また、インターネットや資料で得た情報だけでなく、実際にオープンキャンパスに参加した印象や、学ぶ分野に対してどのくらい興味を持って理解をしているのか、といったことも重要視しています。面接官は受験生の「本気度」を見抜くプロです。受験生は自分の「本気度」を素直に伝えることが大切です。上辺だけの言葉では通用しません。

 

人間性

 大学側は、志望理由や学力だけでなく人間性も重要視しています。「自分の長所と短所」と言った質問を始め、受験当日の一つひとつのマナーや服装もチェックしています。  人間性とは、面接試験の日だけ良く見せようと思ってもうまくはいかないものです。日ごろの言葉遣いや行動、服装などをこの機会に見直してみましょう。

コミュニケーション力

 相手とのコミュニケーションが成立するためには「聞く・話す・表現する」の3つの力が必要です。大学側は面接試験の中で、受験生が相手の話を聞き、自分の言葉で論理的に話し、そして相手の共感を得られるように表現することができる人物かどうかを見ています。どの一つが欠けていてもコミュニケーションは成立しないのです。まずは日ごろの友人や家族とのやりとりを振り返ってみましょう。

面接試験の基礎知識③

 

*対策をしよう

 

 面接の流れを掴もう

 

 面接試験の流れと注意点をまとめました。一つひとつの動作にも注意が必要です。

 

1控え室

 

係員の指示に従い、静かに待ちましょう。
面接試験は、控え室からすでに始まっています

2入室

名前を呼ばれたら大きな声ではっきりと返事をしましょう。
入る前には、ドアを2回ノックします。 中から「どうぞ」と言われたら入室します。
入室後、両手で静かにドアを閉めます。

3着席

○○高等学校から参りました◇◇です。よろしくお願いします。」と述べた後、前を向き丁寧にお辞儀をします。 挨拶をしながらお辞儀をすることのないよう、分離礼を意識しましょう。
「どうぞ」と言われたら、「しつれいします。」と述べ、着席します。

4回答

質問されるときは、面接官の口元から首辺りを見ると良いでしょう。
答えるときは、質問者の方を向き、1問1問面接者の質問の意図をしっかりと汲み取り、視線を合わせて答えましょう。目をきょろきょろと動かしたり、下を向いて話をすることのないように意識しましょう。

5退室

ゆっくりと立ち上がり、「ありがとうございました。」と述べた後、前を向きお辞儀をします。
このときも分離礼を心がけましょう。
ドアを閉める前にもお辞儀をすると印象が良いでしょう。

 

*面接の流れは掴めましたか? 流れを頭に入れた後、一度は家の人や先生・友だちの前で練習するとよいでし ょう。当日の緊張感を柔らげるためにも、何度か練習をしておくと、それが自信につながり、堂々と面接試験に臨めるはずです。また、自分では気がつかない癖をチェックしてもらうこともできます。少しでも自然体で臨めるようになるといいですね。

 

面接試験の基礎知識④

 

 面接試験でよく聞かれる「王道5問」の質問例と対策法をまとめました。

 

質問例:本学、○○学部◇◇学科を選んだ理由を教えてください。
推薦(AO)入試を受験した理由を教えてください。

対策法:志望理由書に書く内容と齟齬のないよう、自分の思いを伝えましょう。大学HPや大学案内の内容研究はもちろん、オープンキャンパスに参加した印象や、志望動機に係わるエピソード等があれば、具体的に話すと良いでしょう。

質問例:本学でどんなことを学びたいですか?

        本学で学んだことを将来どのように生かしたいと考えていますか?

対策法: 自分が学びたい分野の「どこ」に、「どうして」興味を持ったのかについて具体的に話をしましょう。加えて、将来就きたい職業についても熱意を持ってアピールしましょう。

質問例: 高校生活で一番心に残っていることは何ですか?

高校生活で一番辛かった出来事を教えて下さい。

対策法: 「修学旅行」「体育祭」「部活動」といった一言で終わってしまわないように気をつけましょう。面接官はそのイベントを通して、あなたが何を学び、今後の生活にどう活かしたかの回答を求めています。加えて、そこで得た経験を志望学部や将来の職業にどう活かせるのかについて、志望理由や将来の進路と関連づけて話ができると良いでしょう。  

質問例:あなたの長所と短所を教えて下さい。

       あなたの趣味は何ですか?

対策法 :面接では、知識だけでなく「人間性」についてもチェックされます。長所については、将来の希望する職業は自分の性格に合っている、というように志望理由や、将来の進路と関連付けて話ができるとよいでしょう。短所については、短所に対する克服法や努力についても話しをすると好印象です。趣味については、掘り下げて聞かれることが多いです。「知ったかぶり」や「にわか趣味」はすぐに見破られてしまうので気をつけましょう。

質問例: 1分間で自己PRをして下さい。

対策法:面接官は「希望する人材」であるかを見ています。自己PRは他の受験生との違いをアピールできる機会でもあるので、しっかりと活かしましょう。中には小道具を用意してくる受験生もいます。もちろんやりすぎはNGですが、面接官に良い印象を残せるよう、一工夫してみては?

 

    この他にも、各志望系統でよく聞かれる質問があります。志望大学だけでなく、同じ系統の学部のある別の大学の面接状況も参考に対策を考えておきましょう。時事問題について聞かれることもよくありますので、新聞を読むなど、日頃から情報収集をしておく必要もあります。

 

最後に

 面接試験において大切なことは、絶対に嘘をつかないことです。立派なことを言う必要はありません。自分が興味を持った大学・学部・学科に対する素直な思いを言葉にできるかどうかにかかっているのです。そのためには、文章を丸暗記するのではなく、ポイントを自分の中できちんと整理して、自分の言葉で分かりやすく話ができる必要があります。
 面接試験の準備をすることは、自分の気持ちと向き合う良い機会です。入試で面接試験が課される受験生は、この機会を存分に活かし、自分の信念を確固たるものにしてください。応援しています。

 ガンバレ受験生!! BY JJ

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