大学入学共通テスト「出題方法・問題作成方針」再公表
このほど大学入試センターは、2021 年1月に実施する大学入学共通テスト(以下、共通テスト)の問題作成方針と出題科目・配点・試験時間等を再公表しました。来年度の入試の内容ですが、早いうちから情報は持っていた方がよいと思い、詳細を以下の通りにまとめてみました。
■国語の試験時間は80 分に戻る
共通テストの問題作成方針等は昨年6月に公表されていましたが、昨年末に記述式問題の導入見送りが決まり、国語と数学①については解答方法・試験時間を見直すとされました。 今回発表された出題教科・科目、問題作成方針はこれを反映したものとなっています。
国語の試験時間は100 分から80 分になります。記述式がなくなり、大問数は4問(200 点)となる。このうち「近代以降の文章」が2問100 点、「古文」が1問50 点、「漢文」が1問50 点の構成となっています。現行のセンター試験の試験時間・配点に戻った形となりました。
なお、問題作成方針は記述式部分以外に変更はなく、以下のように示されています。
「言語を手掛かりとしながら、文章から得られた情報を多面的・多角的な視点から解釈したり、目的や場面等に応じて文章を書いたりする力などを求める。近代以降の文章(論理的な文章、文学的な文章、実用的な文章)、古典(古文、漢文)といった題材を対象とし、言語活動の過程を重視する。問題の作成に当たっては、大問ごとに一つの題材で問題を作成するだけでなく、異なる種類や分野の文章などを組み合わせた、複数の題材による問題を含めて検討する。」
近代以降の文章では、センター試験では出題のなかった実用的な文章が出題される可能性があるほか、複数の題材による問題の出題なども予告されており、センター試験からの変化を感じるものとなっています。
■数学①は記述式が見送られても70 分に
数学①の試験時間は70 分のまま変更されませんでした。記述式問題導入に伴いセンター試験時より10 分延長されていましたが、国語とは異なり、試験時間はそのままとなりました。
以下は数学全体の問題作成方針です。
「数学的な問題解決の過程を重視する。事象の数量等に着目して数学的な問題を見いだすこと、構想・見通しを立てること、目的に応じて数・式、図、表、グラフなどを活用し、一定の手順に従って数学的に処理すること、及び解決過程を振り返り、得られた結果を意味付けたり、活用したりすることなどを求める。また、問題の作成に当たっては、日常の事象や、数学のよさを実感できる題材、教科書等では扱われていない数学の定理等を既知の知識等を活用しながら導くことのできるような題材等を含めて検討する。」
数学についても記述式部分以外に変更はなく、試行調査で見受けられた新しい傾向の出題が検討されています。
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英語は大学入試英語成績提供システム導入見送りに伴う見直しはなし
英語については、昨年11 月にすでに6月公表の内容から見直しはしないことが発表されています。
センター試験からの変更としては大きく3点挙げられます。
*「リーディング」と「リスニング」の配点比は均等(各100 点)となる(センター試験時の配点は筆記(200 点)、リスニング(50 点))。
*発音、アクセント、語句整序等を単独で問う問題は出題しない。
*センター試験ではすべて2回読みとしているリスニングの読み上げ回数については、問題数の充実を図ることによるテストの信頼性向上を目的に、1回読みと2回読みの両方を含む構成する。
2年目以降の共通テストの国語・数学の試験時間、大学入試英語成績提供システム導入延期に伴う英語の出題等については今年6月頃公表する予定としており、さらなる変更に含みをもたせた形となっています。
来年、受験を向かえる生徒さんたちは、今後発表される情報を注視する必要がありそうです。
ガンバレ受験生!! BY JJ